大動脈弁再建術実施ガイドライン及施設基準

自己心膜等による大動脈弁再建術ガイドライン

2016年2月15日

1.   施設基準について

自己心膜による大動脈弁再建術は下記の施設基準を満たす医療施設で行われるものとする。

1) 手術実績

  • 緊急開心・胸部大動脈手術の経験があること
  • 大動脈弁置換術または大動脈弁形成術(大動脈基部置換も含む)が年間20例以上あること
  • 小児心臓手術を施行する施設では年間の開心術(Off-Pumpも含む)が50例以上であること
  • 経食道心エコー検査が年間50例以上行われていること

2) 設備機器

  • 術中経食道心エコー検査が実施可能であること
  • 経皮的心肺補助装置、緊急開心・胸部大動脈手術が実施可能であること

3) 医師の専門性

  • 本治療法を行う医師は心臓血管外科の専門医の資格を有すること
  • 本治療法を行う医師は大動脈弁置換術または大動脈弁形成術(大動脈基部置換も含む)の主執刀医としての経験が20例以上であること、もしくは技術評価委員会がその技量を承認した医師であること。

4) 倫理委員会の承諾および患者に対する同意説明の取得

  • 倫理委員会が設置されている場合、本治療法の実施について承認を受けていること。倫理委員会の設置がない場合等の対応については今後勉強会で検討を行う。
  • 実施の際には、患者に対する適切な同意説明を文書で取得していること

2.   新規手術開始手順について

新規に本治療法を行う医師は、初回施行前に、豊富な経験を有す施設での手術見学、豊富な経験を有す医師を招いての招聘手術、ドライラボまたはウェットラボでの手技トレーニングを通じて、十分な準備を行うことを必須とする。手術開始に至る詳細な手順については、今後技術評価委員会で協議を行い定める。

3.   既に本治療法を実施している施設について

既に本治療法を実施している施設で、上記の施設基準は満たさない施設については、現在までの症例の客観的なレビュー、必要に応じて手技のトレーニングなどを通じて、質を担保する。詳細の手順については、今後技術評価委員会で協議を行い定める。

4.   症例の選択について

適応症例の選択については、各施設の方針及び患者との協議にもとづき、慎重に判断を行う。必要であれば技術評価委員会にその適否を問い合わせる。今後、技術評価委員会での協議を基に、勉強会として推奨する適応を定める。

5.   データの入力について

JACVSDには手技名は大動脈弁形成術で登録することとする。加えて、今後構築するデータベースに、退院後のフォローアップのデータ等も含めて入力する。データベースの構築・運用の詳細については、勉強会内のデータベース委員会で協議し、早期の運用開始を目指す。

6.   継続および見直しについて

このガイドラインは、運用上の問題点や上記の各委員会での協議内容などを踏まえ、必要に応じて世話人での協議の上、改定を行う。